1. 元の代金回収記録を保持し、各返金を個別の処理として紐付けます。
2. 承認、返金申請、決済事業者による最終結果の確定は、それぞれ異なる段階です。
3. 請求内容の修正と返金の完了は、別々に確認する必要があります。
予約のメモに「返金済み」とだけ記載しても、状況は明確になりません。責任者が申請を承認した段階なのか、スタッフが返金を申請した段階なのか、決済事業者が処理結果を確定した段階なのかが分からないためです。この違いによって、スタッフが待つべきか、調査すべきか、対応すべきかが決まります。
ホテル決済システムで返金を追跡するには、元の代金回収の参照番号と、それとは別の返金参照番号が必要です。両方を保持してください。ホテルは後から、ゲストへの請求内容と資金の動きを説明できる必要があります。
別のスタッフにも分かる返金記録を作成する
次の仮の例で考えます。予約R517では、500米ドルの代金回収が完了しています。合意済みのサービス調整に伴い、責任者が120米ドルの返金を承認しました。それ以前の返金や、ほかの支払いはありません。
元の領収書は500米ドルのまま保持します。別途作成する返金記録には、120米ドルという金額、理由、承認者、元の取引を記載し、返金申請の参照番号が発行されたら追記します。返金が完了すると、ほかの調整を行う前の受領額は差し引き380米ドルになります。
ただし、これで請求内容が自動的に修正されるわけではありません。合意した請求額も380米ドルに変更すべき場合は、承認済みの請求調整を行います。120米ドルを返金しても請求額を500米ドルのままにすると、返金した金額をゲストが再び支払う必要があるように見えてしまいます。
誰が代金を回収したかを確認する
元の通貨、支払い方法、処理結果、過去の返金や支払い異議申立てを確認します。決済が失敗していれば、代金は回収されていません。また、カードの一時的な利用枠確保であれば、返金ではなく確保の解除が必要な場合があります。
OTAが宿泊代金を回収した場合は、その予約に定められた返金手順に従います。キャンセルが承認されたという理由だけで、無関係な取引からホテルの資金を返金してはいけません。ホテルが直接回収した追加料金は、別途調整が必要な場合があります。
承認と実行を区別する
承認記録には、金額、通貨、理由、許可された処理を明記します。返金申請を行ったら、実際の返金参照番号と決済事業者の処理結果を追記します。承認は確認できても申請の証拠が見つからない場合は、返金済みと判断する前に調査してください。
この区別をホテルの決済記録にも残します。「返金対応済み」よりも、「120米ドルの返金を承認済み。返金申請は未実施」の方が役立ちます。一般的なメモには、決済認証情報や本人確認書類の写しを含めないでください。
次の対応を決めるステータスを確認する
決済事業者が実際に使用している表記を使い、必要に応じてホテルの記録に分かりやすい説明を添えます。ここで示す区別は、すべてのホテル管理システムに同じ返金ボタンやステータスがあることを意味するものではありません。
承認済み・返金申請は未確認
元の代金回収記録を調べ、すでに返金処理が試みられていないか確認します。状況が明確になってから、権限を持つスタッフが、対応している返金手順に従って承認額の返金を申請します。発行された参照番号とステータスを記録してください。
承認メモだけでは、返金申請が実施されたかどうかは判断できません。この不明確さがあると、別のスタッフが同額を誤って再度返金してしまうおそれがあります。
Smart Orderで予約履歴と決済履歴をまとめて確認すれば、次の金銭処理を行う前に、元の宿泊内容と代金回収を確認しやすくなります。曖昧なラベル一つに置き換えず、システムで利用できる記録を通じて、返金参照番号と未対応の作業を追跡できるようにしてください。
まず元の代金回収を簡単に確認
追加の返金依頼に対応する前に、宿泊内容と記録済みの取引を確認しましょう。承認済みという記録を、別途返金すべき金額と取り違えることを防ぎます。
申請済み・処理待ち
決済事業者の説明と、次回の確認時点を記録します。処理待ちの申請では、資金の補充や、その決済に固有の条件への対応が必要な場合があります。最初の申請が完了していないからといって、さらに120米ドルを返金してはいけません。
確認できた金額、通貨、現在の処理結果をゲストに伝えます。ホテル側で管理できない銀行口座への反映日ではなく、確実に実施できる状況報告を約束してください。
決済事業者の記録上で成功
完了した返金の参照番号を保持し、請求内容を確認します。ゲスト側で返金を確認できない場合は、正式な手順で取得できる適切な受領証や追跡用の参照番号を案内してください。
銀行によって表示方法は異なります。処理が成功していても、独立した返金明細がすでに表示されているとは限りません。再度返金する前に、既存の返金状況を調査してください。
失敗・取消済み
成功しなかった処理も履歴に残します。経理担当者は、代わりの返金処理を決める前に、最終結果と、ホテルの利用可能残高への資金の戻りを確認する必要があります。再試行には固有の参照番号を付け、元の代金回収に紐付けます。
支払い異議申立てが未解決の場合は、別途返金を行う前に、その案件の担当者に確認してください。同じ金額を二つの経路で処理することを避けるため、決済事業者が認める対応と案件の結果に従います。
返金額、請求内容、未完了の作業を個別に確認して完了する
予約R517の例に戻ります。先に50米ドルの返金が成功し、残り70米ドルが処理待ちだとします。承認済みの合計額は120米ドルですが、返金を確認できているのは50米ドルだけです。両方の参照番号を保持し、全額が完了したと記録したり、処理待ちの分を再申請したりしないでください。
フロントデスクの予約に紐づく請求明細には、承認済みの請求調整を反映し、実際に残っている未精算額を明確に表示する必要があります。決済事業者の記録は、500米ドルの代金回収と各返金処理を説明するものです。どちらか一方で、もう一方を代用することはできません。
参照番号をホテルの財務レポートおよびエクスポートデータと照合します。決済手数料、ホテルへの入金時の控除額、為替差額は、承認済みのゲストへの返金額と分けて扱います。銀行への入金額に無理に合わせるために、返金額を減らしてはいけません。
承認額の処理状況をすべて確認でき、請求内容の確認が済み、理由が不明な処理待ちや失敗した処理が残っていない場合にのみ、案件を完了します。未解決の作業は、参照番号と次の対応を明記して未完了のまま管理してください。予約がキャンセル済みであることや、残高がゼロに見えることだけでは不十分です。
経理担当者に確認すべき二つの例外
ゲストから別の口座への返金を求められた場合は?
メッセージだけを根拠に返金先を変更してはいけません。元の支払いで対応している返金経路を使用し、それが失敗した場合や利用できない場合は、経理担当者と決済事業者に、確認済みの代替手段を判断してもらいます。カードや口座が変更されたことは、正式な手順を経ない送金を行う理由にはなりません。
返金が締め済みの会計期間をまたぐ場合は?
元の代金回収日と参照番号は、そのまま保持します。後日行う返金や請求内容の修正を、ホテルの会計手順に沿ってどのように記録するか、経理担当者に確認してください。過去の会計期間に変更がないように見せるために、日付を遡らせたり、以前の領収書を書き換えたりしてはいけません。